ごあいさつ
理事長ごあいさつ
患者さんと共に歩む
1973年、博愛会は九州で初めてマンモグラフィを導入以来、女性医療分野を中心に予防から検診、治療、緩和医療まで、一貫した体制を整えて参りました。
一人ひとりの患者さんの声に耳を傾け、病気・家族・暮らしなど患者さんの普段の生活を支えたい。その思いを実現するため、診療・ケア・教育・研究など多岐にわたり取り組むことは、私たちの誇りです。
地域と共に歩む
2011年、博愛会は社会医療法人となり、鹿児島県の離島僻地を視野にいれた医療に取り組み始めました。医療を受けることが大きな負担となっている地域に医師が赴き、乳腺特別外来を実施しています。
また広く地域においては、女性の健康を守るため様々な活動を支援しています。活動を通し多くの方と絆が生まれることは、私たちの喜びです。
医療機関と連携し、共に歩む
2014年8月、全国で初めて唯一、乳がん領域において「特定領域がん診療連携拠点病院」に認定されました。各地の医療機関と連携を図りながら、がん医療水準の向上に貢献することは、私たちの務めです。
私たちはこれからも、特徴とする専門性の追求と幅広い対応力を磨きながら、より一層信頼される医療に取り組んでまいります。
院長ごあいさつ
患者さんに最善の医療を提供する
乳がん患者さんが受けている医療に満足するためには、お一人お一人の病気の特性と状況を正確に見極め、科学的根拠に基づいた最適の治療を、患者さんと医療者がいっしょに相談しながら決めていくこと(治療方針の共有:shared decision making)が大切だとされています。
私たちは「乳がんという病気」だけではなく、「乳がんを患う人」を診させていただきます。「病気への治療」とともに、「人へのトータルケア」は乳がん医療の両輪です。患者さんには、それぞれの生活・仕事・家族・好みなどがあります。その幅広い状況に応じた対応をさせていただくためには多くの職種の医療者によるチーム医療が必要となります。チーム医療の目標は、「患者さんの満足」であり、患者さんにもチームの一員としてチーム医療に加わっていただければと思います。
明日の乳がん医療をより良いものとする
患者さんが最善の医療を受けられることはとても大切なことです。同時に私たちは未来の乳がん患者が今よりももっと良い医療を受けられるよう努力していかなければなりません。今よりももっと治療効果が高くなり、もっと体と心や生活への負担が小さくなり、お一人お一人の希望に応えることができるようになる、明日の乳がん医療を創っていく必要があります。かつての患者さんによって今の乳がん医療ができ、今の患者さんによって明日の患者さんの乳がん医療が創られていきます。そのためには経験の積み重ねだけでなく、臨床試験への取り組みが必須となります。患者さんが安心して参加できる臨床試験を推進していくことは、今を生きる私たちの責務と考えます。
患者さんとご家族に信頼される医療を提供する
医療者と医療機関への信頼なくして、患者さんが自分の治療とケアに満足されることはないと考えます。ひととひとの間に信頼が生まれるには、こころを開いてよくお話を聴くコミュニケーション、目標と情報の共有、高い医療技術、豊富な医療知識などが必要となります。また、質の高い医療のためには、医療安全への取り組みが重要となります。このようなことを通して、厚く信頼される医療を提供させていただきます。
院長補佐ごあいさつ
先進的な医療への取り組み
医療技術や科学は日々進歩、多様化しています。私たちは2007年に米国カルフォルニア大学やスタンフォードがん研究所を見学し、遺伝性乳がんの診断やカウンセリング、予防治療を提供する体制を目の当たりにして、翌年、遺伝性乳がん卵巣がん症候群に対する遺伝外来を設立しました。それから10年以上を経て、2020年4月にようやく遺伝性乳がんの診断や予防的治療、検査が日本で保険収載され、多くの方に提供できるようになりました。現在相良病院では、病理診断医や遺伝性疾患に携わる医師、カウンセラー、看護師、検査技師など多くのスタッフが携わり、専門性の高い医療を提供しております。
治験・臨床研究の推進
新たな治療法や薬剤を開発する臨床研究にも積極的に取り組んでおります。2013年から約4年にわたり米国のダナファーバー癌研究所、ハーバード大学公衆衛生大学院で臨床研究に取り組み、早期乳がんに対する新たな治療戦略に関する研究成果を発表しました。世界中で大きな反響があり、現在国内のがんセンターを中心とする研究グループと一緒にその有効性や安全性を検証しています。
また、がんの再発を予測する遺伝子診断やAIを用いた新たながんの診断方法、画像診断の開発に関しても、国内外の企業、国内のがんを専門とする臨床研究グループと協働しています。博愛会では、患者さんの安全を第一に考え、倫理委員会で研究の妥当性や安全性を検討し、臨床研究コーディネーターが患者さんをサポートしております。
患者さん中心の医療を実践
私たち医療者にとって一番大切なことは、患者さんとご家族が外来や病棟で安心して診療を受けられること、患者さん中心の医療を提供することです。信頼性の高い情報(エビデンス)に基づき、さまざまな選択肢の中から一人ひとりの患者さんの価値観やライフスタイルに合った、最善の医療を提供できるように心掛けております。
共に在り、共に歩む。患者さんに寄り添いながら、私たち医療者も日々学び、診療に携わっています。2020年に完成した新相良病院を訪れる患者さんやご家族はもちろん、地域の皆様や医療者の方々からも信頼を得られるように、医療スタッフ一同、真摯に取り組んでまいります。